天龍川ウォーク4 -龍の導き-

天龍川沿いにある、日本で一番小さな村、愛知県富山村。お昼頃に到着しました。
この日の最終地点は佐久間ダムでしたが、困ったことにこの先の天龍川沿いのすべての道が、土砂崩れによって塞がれていました。この年の梅雨の雨はとても激しく、あちこちで土砂崩れが起きていました。「向こうの山を越えるしかない」と、村の人が教えてくれました。その道を行くとすると、天龍川とは離れることになります。

でも、前に進むにはその道しかありませんでした。天龍川と離れてしまうのは残念でしたが、与えられた「道」だと受け止めて、その道を行くことにしました。毎日4時に歩き出し、お昼過ぎに終了というスケジュールで動ていたので、時間はたっぷりありました。

長野、愛知、静岡の3県の県境にあるその山は、自然なるままでした。森は豊かでした。急な坂道を歩きながら谷の下を流れる川の美しさに見とれました。とんだハプニングで出逢えた景色です。当時5歳の実杜も含め、一人一人が自分の足取りと歩く道のりを楽しんでいました。

大津峠を越えたところで一泊して、翌日、静岡県水窪町に辿り着きました。私たちが歩いて来た道から国道152号線に出るその手前に、看板がありました。それはこんな内容でした。
『水窪町池の平。幻の池。浜岡町桜ヶ池の龍神が諏訪湖に登る途中、ここに池を作り体を休めると言われています。7年に1度、森の中に突然水があふれて池が現れます。』

全く関係ないと想っていた予定外の道、予定外の場所で、桜ヶ池や龍神伝説が出て来たことに、鳥肌が立つほど驚きました。(前回は1998年でしたので、幻の池は今年現れるはず。)

行く手を失い、八方ふさがりになっても歩くことを諦めず、戻ることもせず、前にだけ進もうとする気持ちの尊さや、選ぶことのできない道であっても、ひたすらの上り坂であっても、笑いながら楽しみながらみんな一緒に歩くことができる、という喜びを感じました。
私は「みんな一緒」ということが非常に苦手ですが、一人一人の自由な意思の結果としての「みんな一緒」なら悪くないかも、と想いました。むしろ、「みんな一緒」であることを幸せに想いました。私はそんなことを想いながら、大津峠を下りました。

龍神様に導かれた、としか捉えようのない出来事でした。天龍川と離れても、龍神と同じ道を歩くことになった風と水、光と音。
それは、偶然でしたが、必然であったのかもしれません。

続きます。
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by yumeyaeikoalways | 2005-06-13 12:00 | 足跡  

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