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こんばんは

不登校やひきこもりを支援している「上伊那子どもサポートセンター」が中心となって、「子どもを育む上伊那地域ネットワークフォーラム」が5日に開催され、"学ぶって何だろう"をテーマに夜間中学校のドキュメント映画「こんばんは」が上映されました。私は音楽を通して「上伊那子どもサポートセンター」に関わっているので、フォーラムの中でも少々演奏をさせていただきました。

夜間中学校は、戦後まもない頃、貧困のために昼間の学校に通えない子どもたちの為に設けられたもので、その後、戦争によって学校に行けなかった高齢の人たちや残留孤児や中国や韓国の人たちなどが、日本語を習得するために受け入れられるようになりました。現在では国際結婚などによって日本に来た様々な国の人たちや、不登校などによって学校に通えなかった人たちなども通っています。全国で35カ所、約3000人が夜間中学校で学んでいます。

映画の舞台は、東京都墨田区立文花中学校。
山田洋二監督の「学校」の一作目のモデルになった見城慶和先生がいらっしゃる学校です。

生徒の最高年齢は91歳で平均年齢63歳というクラスがあり、戦後、家の手伝いなどで働かなければならなかったために、小学校にさえ通えず、ずーっと読み書きができなかったと言う老人たちが学んでいる。70を超えてから「夜間中学」と言う存在を知り、「入学したい、学びたい」と言う強く熱い想いと、通学することでその人たちの「生きる」と言うことが変わり、長い長い間ずっと消えることがなかった心の闇や傷が「学ぶ」と言うことで癒されていく姿。胸が熱くなりました。

受験勉強、競争や効率を優先するのではなく、暗記するのではなく、ひとりひとりの頭と人生に確実に染み込むように進められていく授業。真摯に学ぶ生徒たち。
東京にある夜間中学の合同体育祭や文化祭などは国際色豊かで、小さな「地球村」と言った感じです。年齢、国籍、立場を超えた人と人との関わり。そこで育まれている人のあたたかさ、優しさ、深さ、情熱、自信、希望・・。"学ぶ"ということは、心が成長すること、平和を生きるってことなのかも知れない。

「平和」がそこに見えて、なんだかーーー、泣かずには、いられなかった。
"悲しい"とは違う涙が止まらなかった。
すべての学校がこんな風であったなら、すべての人と人の関係がこんな風であったなら、すべての人がこんな風で在れたなら、社会がこんな風であったなら、世界がこんな風であったなら・・。

170万人もの義務教育未修了者が今現在の日本にいるという。難しい漢字は私も読めないけど、何不自由なくあたりまえに読み書きができると言うのは、本当に幸せなんだと想った。
興味を持たれた方、あちこちで上映会をやっていますよーーー。

by yumeyaeikoalways | 2005-11-07 15:07 | 映画  

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